日本の教育システムの主な特徴のうち、以下は検討に値するでしょう。

1) 知識よりもマナー優先

日本の学校では、10歳になるまで試験がありません。あったとしても、ちょっとしたテストだけです。入学して最初の3年間は、知識や学習を評価することではなく、優れたマナーを身につけ、子供の人格を養うことが目的とされています。他人を尊重し、動物や自然を大事にすることを教わります。 

2) 大多数の学校施設には、管理人や守衛がいない

生徒は自分たちで学校を掃除します。自分たちが使う教室や食堂、更にはトイレの掃除まで担当します。小さなグループに分けられ、一年を通して交替でこれらの場所の掃除を行います。生徒が自分で片付けを行うことで、チームとして協力し、お互いに助け合えるようになるとされています。

3) ほとんどの学校で決まったメニューの給食が出る

日本の学校では、生徒が栄養価の高いバランスの取れた食事を取れるよう、給食制度が導入されています。教師と生徒全員が一緒に昼食をとることで、教師と生徒の間に健全な交流が生まれます。キリスト教の聖堂学校の昼食と似ており、教師と支援労働者、生徒が一緒に食事をします。「その日の一品」を囲んで楽しく会話ができるのは驚くべき効果で、家族のような絆を生むことになるのです。

4) 放課後の塾通いが非常に一般的

日本の生徒の大半は、有名な中学校に進学するため、放課後に予備校や塾に通っています。こうした塾の授業は、たいてい夕方に行われます。課外活動のために遅れてやって来る生徒を見かけることもよくあります。学校の授業時間は1日8時間ですが、長期休暇中や週末にも塾などで勉強しているのです。

5) 生徒のほぼ全員が制服着用を求められる

ほとんどの中学校では、生徒に制服の着用を義務付けています。独自の制服を作っている学校もありますが、一般的な制服は、男子は学ラン、女子はセーラー服またはブレザーです。制服着用が規則になっているのは、集団内の分断を避け、みんなで勉強する気分になるよう、との考えからです。また、生徒たちの間で共同体意識を育むうえでも役立ちます。

こうした教育システム要素の核心には、強力かつ効果的な指導・学習があることは間違いありません。しかし、教育システムが成功している国の多くで見られる特徴は、当社の独立した教育部門ですでに行われていることであり、それは本当に幸運なことなのだとハッとする思いです。